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夜よ、こんにちは      


2003年 イタリア   

<監督>マルコ・ベロッキオ
<キャスト>マヤ・サンサ , ルイジ・ロ・カーショ

<ストーリー>
1978年3月16日、イタリア。「赤い旅団」は、イタリアのアルド・モロ元首相(ロベルト・ヘルリッカ)を誘拐し声明文を政府に送りつけた。彼らは、隠れ家のアパートに人質を監禁するが、その過激な行動は、世論の支持を得られず、彼らは、いらだちを露わにするのだった・・・。

<感想>
70年代は、日本でも、「突入せよ!「あさま山荘」事件」や、「光の雨」で描かれている連合赤軍事件があったり、世界的に、過激な時代で、イタリアでも、武装集団「赤い旅団」によって、「イタリア最大の事件」と呼ばれる、この事件が起きました。この映画は、その事実に基づいて描かれた物語で、誘拐メンバーの中の唯一の女性であった、キアラの目を通して描かれています。

キアラは、表向きは、図書館に勤める目立たない普通の女性ですが、実は、巧妙に隠蔽された別の顔があったのです。
彼女は、人質を監禁したアパートから、職場へと通い、普通の生活を装います。しかし、家に帰れば、他のメンバーと共に、誘拐したモロ氏との討論に耳を傾けるのです。
敵と見なしたモロ氏との55日間に及ぶ生活は、彼女に、それまでとは違う感情を、もたらし始める・・・。

理想の社会を目指して戦う彼らは、信念のために、過激な行動を繰り返し、その過激さ故に、市民の支持を得る事ができず、行き詰まってしまう。
さらに、誘拐したモロ氏の決然とした人格を目の当たりにし、また、政治家としてではなく、一人の人間としての彼の命を奪うことに、疑問を感じるのは、当然の帰結と思われます。
特に、家にこもっている他のメンバーと違って、彼女は、外との接触があり、一般の人たちの感覚を直に知ることが出来るわけで、そういうところからも、彼女の心の中の変化が起こっていったのかもしれないですねぇ。
彼女の妄想のまま、この事件も終わっていれば、良かったのですが・・・。(2007,05,21)



《赤い旅団》1970年に誕生した、イタリアの極左武装集団。当初の主な活動はミラノやトリノでの極右勢力に反対する労働組合の支援であった。若年層の高い失業率や挙国一致体制への不満などを背景に勢力拡大を狙うが、労働者からの支持が得られず次第に過激な武力闘争に傾斜していく。 旅団の戦略はグループの工場に工員として雇われ、内部から襲うというものだった。こうして彼らはいくつかの破壊工作に携わり、次に重役の監禁を開始した。彼らの方策は深刻化し、「腿撃ち」に至る。これは権力に雇われた手先とみなされた現場監督の両足をピストルで撃つもの。次に起こったのがトリノのフィアット工場長、および判事マロ・ロッシの誘拐である。(オフィシャルサイトより)



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