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4分間のピアニスト      


2006年 ドイツ 音楽   

<監督>クリス・クラウス
<キャスト>モニカ・ブライブトロイ , ハンナー・ヘルツシュプルング , ヤスミン・タバタバイ , ナディヤ・ウール

<ストーリー>
ピアノ教師として刑務所を訪れたトラウデ・クリューガー(モニカ・ブライブトロイ)は、ひとりの女囚に目をとめる。彼女の名前はジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)。彼女のピアノの才能が、並外れたものであることに、クリューガーは、すぐに気がつくが、ジェニーは、気が荒く、手が付けられない問題児だった。しかし、クリューガーは、彼女のピアノの才能を埋もれさせる気はなかった・・・。

<感想>
奇跡のように出会った、ふたりの女性。ふたりは、それぞれに、深い心の傷を抱えたまま、ピアノに向き合った・・・。

重い過去を引きずったまま生きてきたクリューガーは、目の前に現れた、神に与えられた才能を埋もれさせず、世に出すことが、自分の使命と考え、そのために、彼女は、自分の出来る最大限のことをしようとする。

ジェニーも、愛を亡くし、周りのすべてに対して、常に怒りまくるような態度から、徐々に、クリューガーの気持ちに応え、自分の才能を輝かすために、ピアノに向かう・・・。

ふたりの心と、タイミングは、最初は大きく、そして、その後も微妙にずれたりもするのですが、ふたりの唯一の共通言語、”与えられた才能”を光らせる努力を続けます。
ラストは、息をのむような、才能のほとばしる演奏でした。あんな演奏方法が、あるんですね〜〜。びっくり!(^^)。
彼女たちの過去も現在も、このラストによって、大きく変化することはないですが、ひとつのことをやり遂げた達成感、そして、通じ合った心と心が、ふたりの未来にきっと明るさをもたらしたことでしょう。

このストーリーは、監督が、”刑務所でピアノを教えている80歳の女性”という新聞記事を見て、そこから、自分なりの物語を考え、キャラクターを作り上げていったそうです。

女性ピアノ教師役を演じたモニカ・ブライブトロイは、ドイツのベテラン女優であると同時に、「es [エス]」など、いろいろな映画で活躍する俳優、モーリッツ・ブライブトロイのお母様だそうです。

天才ピアニスト役のジェニー役のハンナー・ヘルツシュプルングは、1200人の中からオーディションで選ばれた新人女優だそうですが、この役を、完璧にものにしてますねぇ。ケンカっぱやい暴力的な面と、天才的ピアニストとしての両面を力強く演じて、とても印象的でした。(2008,11,06)



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