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おくりびと      


2008年 日本   

<監督>滝田洋二郎
<キャスト>本木雅弘 , 広末涼子 , 山崎努 , 余貴美子 , 笹野高史 , 杉本哲太 , 吉行和子

<ストーリー>
オーケストラでチェロ奏者をしていた小林大悟(本木雅弘)は、ある日突然、楽団の解散を言い渡される。途方に暮れた彼は、山形の田舎に、妻の美香(広末涼子)と共に帰ることにした。山形で、仕事を探す彼は、ある求人広告を見て応募するが、その仕事はなんと、亡くなった人を納棺する納棺師だった。とりあえず、そこに就職することになった彼だったが、妻にそのことを言い出せない・・・。

<感想>
第32回モントリオール世界映画祭グランプリ受賞!ということで、話題になっている映画で、見るのを楽しみにしていました。
とはいえ、主人公の仕事が納棺師ということで、涙の多い映画鑑賞になるのかなと予想していました。
でも、見てみると、コミカルなシーンが多くて、意外と笑いの多い映画でした。

納棺師・・・今回この言葉を初めて聞いたのですが、文字通り、亡くなった人を納棺する人のことです。
亡骸を家族の前で清め、死に装束を着けさせるという、いかにも日本的な儀式です。病院でなくなったりすると、こういう事は、看護士さんが、行うのでしょうか。あまり見かけない儀式でしたが、美しい所作で、思わず見とれてしまいました。
この儀式には、亡くなった人に対する尊厳が感じられ、悲しみの最中(さなか)にいる遺族の心を落ち着かせ、故人への思いをさらに強くする効果があるように思いました。
私自身も、肉親が亡くなった時に、湯灌(ゆかん)という儀式があったので、驚いたことがあったのですが、地域によって、葬儀の仕方って、いろいろなのでしょうね〜。

キャストは、それぞれ味わい深く良かったです。
主演の本木雅弘が、思わぬ仕事に戸惑う様子や、山崎努の人を食ったような飄々とした演技。二人ともやり過ぎず、やらなさすぎず、見ていて、心地よい演技を提供してくれました。
また、広末涼子も良かったです。人妻としての落ち着きが感じられ、安心して見ていることが出来ました。こういう感覚は、プライベートでも、早くに結婚して、出産も経験している彼女ならではという感じがしました。私生活が、演技の幅を広げたのでしょうか。

そして、久石譲さんの音楽がすばらしくて、心に染みました。癒されますね〜〜。

とても日本的な映画ですが、故人を悼む心は、万国共通。世界に通用する映画でもあるのでしょう。アカデミー賞の日本代表にも選ばれたそうなので、来年が、また楽しみになりました(^^)。(2008,09,13)



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