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王の男      


2006年 韓国 歴史・サスペンス   

<監督>イ・ジュンイク
<キャスト>カム・ウソン , イ・ジュンギ , チョン・ジニョン , ユ・ヘジン

<ストーリー>
16世紀初頭、朝鮮王朝時代。旅芸人のチャンセン(カム・ウソン)とコンギル(イ・ジュンギ)は漢陽の都で芸を披露していたが、王、ヨンサングン(チョン・ジニョン)の悪評を聞いたチャンセンは、宮廷を皮肉った芝居をして、民衆の人気者となった。しかし、その噂を聞いた王の重臣が王を侮辱したと、彼らを捕らえにやってきた・・・。

<感想>
この映画は韓国でも、4人に一人は見たという、大ヒットだったそうですが、それもうなずける面白さで、ぐいぐいと、映画の世界に引き込まれました。また、この時代の朝鮮王朝は、ドラマ「宮廷女官チャングム」の時代と、少し重なるので、その点でも興味深かったです。

まずは、チャンセンの見事な芸と、コンギルの妖艶な美しさに、目が離せませんでした(^^)。
そして、宮廷を皮肉った新しい出し物を上演したために捕らえられた二人は、稀代の暴君ヨンサングンの前で、その芝居をして、王が笑えば、死刑を免れるという、絶体絶命のピンチに陥るのですが、そんな、怖ろしさで足のすくむ中、なんとか必死に演じている彼らを見ている時の、王の顔の怖ろしいこと!
そして、王は、怒ったのか、笑ったのか?
この時の王の演技が、すばらしかったです。見ている私も、チャンセンたちのように、怖ろしくて、身の縮む思いでした。

ヨンサングンは、肉親の愛情を知らずに育った孤独な王だったようで、その生い立ちも、彼を暴君にしてしまった原因なのかもしれません。それ故に、ひたすらなんの思惑もない純粋な愛を求めつつ、一方で、拳を握っていたのかもしれませんねぇ。
この芝居のシーンだけでなく、ヨンサングンの激しい性格は、随所に見られ、その都度、彼の怖ろしさ、孤独感、異常性が表現されていました。そんなヨンサングンをチョン・ジニョンは、見事に演じていてすばらしかったです。

女形芸人、イ・ジュンギの美しさも、妖艶でうっとり。こんな人がいるんですね〜(^^)。また、芸人魂の塊のようなチャンセンも、すばらしく、この映画で、大鐘賞主演男優賞を獲得したそうです。
私は、韓国映画は、割とたくさん見ている方だと思っていましたが、この3人は、初めて見る俳優さんで、韓国映画館の幅の広さを感じました。(2006,12,11)



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