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小さいおうち      


2013年 日本
ミステリー   

<監督>山田洋次
<原作>中島京子「小さいおうち」
<キャスト> 松たか子 , 黒木華 , 吉岡秀隆 , 妻夫木聡 , 倍賞千恵子 , 室井滋 , 中嶋朋子 , 笹野高史 , 夏川結衣 , 木村文乃 , 橋爪功 , 吉行和子

<ストーリー>
雪深い北国から女中奉公に出たタキ(黒木華)は、新しく家を建てたばかりの平井家で働くことになった。平井家の妻、時子(松たか子)は、美しく、明るい女性で、タキは、奥様のために、誠心誠意働く。そしてある年の正月、平井家に板倉正治(吉岡秀隆)という青年がやってくる・・・。

<感想>
中島京子の第143回直木賞受賞作「小さいおうち」の映画化作品です。
原作もとても印象的でしたが、映画も、原作に沿ったストーリーで、素敵に仕上がっていました。

第二次世界大戦に突き進む時代の危うい日本の、ちょっと裕福な家庭の物語です。

関東大震災後、新築された赤い屋根のモダンな家。
そこの女中として働くタキが主人公です。

時代劇で描かれる古い日本の生活の様子を見るのも好きですが、
このような昭和初期の頃の日本の様子も、なかなかいいです。
ひとつひとつの生活の様子が、合理的かつ清潔感にあふれていて、見ていて、微笑ましいです。
こんな生活もいいなと、ちょっと思ったりしますが、それも女中さんが居るからこそなんでしょう(^_^)。
実際には、今と比べると、大いに不便で、女性にとっては大変な時代なのでしょうが、
そんな生活を自然に受け入れて、しなやかに生きている女性の様子が、何とも言えず素敵です。

そんな小さな家庭に起こったある事件。
密やかに続けられるその秘め事が、この物語の核心です。

小説を読んだ時よりも、タキの気持ちがわりやすかったような気がしています。

キャストは、皆さん役柄に合っていました。
特に、時子役の松たか子は、綺麗で明るい若奥様役がぴったり。
後半の悩める若妻ぶりも、着物を着る所作が、やけに色っぽかったりして、ドキッとしました(^_^)。

この役でベルリン国際映画祭の銀熊賞(女優賞)を獲得した黒木華も、平凡で、働き者の女中さん役がはまっていて、存在感ありました。(2015,02,28)



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