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| 春の雪      |  | 
 2005年 日本 ロマンス
    
 <監督>行定勲
 <キャスト> 妻夫木聡 ,   竹内結子 ,   高岡蒼佑 ,   宮崎美子 ,   柄本佑  ,   真野響子 ,   大楠道代 ,   岸田今日子 ,  志田未来 ,  田口トモロヲ ,  石橋蓮司  ,  山本圭
 
 <ストーリー>
 大正初期。侯爵家の子息、松枝清顕(妻夫木聡)と伯爵家の令嬢、綾倉聡子(竹内結子)は、幼なじみ。年頃になり、お互いに意識しながらも、若さ故の不器用さで、無関心を装っていた。そんなある日、聡子に縁談話が持ち上がる。清顕の気持ちを知りたい聡子だったが、清顕は彼女からの手紙をことごとく無視し、とうとう聡子の婚約が成立してしまう・・・。
 
 <感想>
 映画化になるということで、本を読み始めたのですが、なんと、読み終わるまでに1年もかかってしまいました(^^)。難しいのよね、字とか、言い回しが・・・(^^;。
 でも、とても印象に残ったので、果たして映画は、どうかなと思いましたが、これがまた、すばらしく良かったです。
 
 映画を見る前から、竹内結子は、イメージ通りでした。一方、妻夫木聡は、ちょっとなぁと思っていたのですが、妻夫木君も、ちょっとほっそりして、若さ故の謹厳さを持つ清顕のイメージに近くなっていました。
 そして、二人とも美男美女で、見栄え的にも申し分ありません。
 
 ストーリーも、この時代の思想的なことはさておき、この物語に必要な要所要所は、きちんと押さえてあり、話の流れもとてもスムーズでした。
 ポイントとなる、婚約が決まってからの清顕の思いの強さは、なんでもっと早く気づかなかったのかと、焦燥感と、絶望感とが相まって、切なく、哀しく、そして、幸せを感じるのでした。若いってことは、罪なことですねぇ。
 
 映画全体が、大正時代を感じさせる、重厚さと、悠長さと、美しさに充ち満ちていて、見応えたっぷりでした。
 150分と長い映画なのですが、映像を見ているだけでも、十分満足出来るすばらしさです。
 これは、アイドル映画と思わずに、文芸作品として見たい映画です。そして、この理不尽な清顕の行動を理解するためにも、原作を読むこともお奨めします。(2008,02,03)
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