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「春の雪」
  三島由紀夫



維新の功臣を祖父にもつ侯爵家の若き嫡子松枝清顕と、伯爵家の美貌の令嬢綾倉聡子のついに結ばれることのない恋。ほこり高い青年が、<禁じられた恋>に生命をかして求めたものは何であったか?ーー大正初期の貴族社会を舞台に、破滅へと運命づけられた悲劇的な愛を優雅絢爛たる筆に描く。現世の営為を越えた混沌に誘われて展開する夢と転生の壮麗な物語『豊饒の海』第一巻。 (帯より)


久しぶりに読みました、三島由紀夫。
映画化されると聞いて、読み始めて早一年(^^;。あの頃幸せいっぱいだった主演女優も、今やドロドロの離婚騒動の中・・・。年月を感じますねーーー(^^;。

描かれているのが、大正初期の貴族社会なので、始め、私には、まるで、外国の話のように、遠く感じられました。
主役の松枝清顕のお屋敷の壮大な広さは、まるで現実感がありません。でも、この当時は、実際にこんな生活をしている人がいたのでしょうねーーー、凄いです。
そんな恵まれた環境に育った清顕の周りで起こる出来事が、前半は、事細かく描写されています。これによって、彼の置かれた境遇と、周りの人たちの考え方などが、よく分かります。
そして、清顕の聡子に対する気持ちも徐々に明らかになってきます。

中盤に入ると、清顕と、聡子の気持ちがはっきりとしてきて、切なく、甘い青春恋愛物語になってゆきます。しかし、それも、運命のいたずらか、ままならない環境に置かれ、それ故に、ますます、燃え上がる二人となってゆくのです。

そして、怒濤のごとく、ラストまで一気に駆け抜けるのですが、この後半は、まさに、本から目が離せないほどの緊迫感です。
読み終わったときには、少し、呆然としてしまいました。

映画化の話を聞いてから読み始めたので、私の中の聡子は、竹内結子そのものです。読めば読むほど、彼女にピッタリな役柄のように思えてきました。こうなると、映画で、どのように描かれているのか、とても楽しみになります。
清顕の妻夫木聡は、ちょっと違和感が・・・(^^;。もうちょっと、どういうか、高貴で上品で繊細で、かたくなな男子のイメージなのですが、映画では、どう演じているのでしょうか。
早くWOWOWに来ないかな〜〜(^^)。 (2006.11.23)





『豊饒の海』
 「春の雪」
 「奔馬」
 「暁の寺」
 「天人五衰」