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おわらない物語 アビバの場合      


2004年 アメリカ アドベンチャー・コメディー   

<監督>トッド・ソロンズ
<キャスト>エレン・バーキン , ジェニファー・ジェイソン・リー

<ストーリー>
アビバのいとこ、ドーンが自殺した。アビバは、その夜、自分は、ドーンのようにはならず、子供を産んで幸せに暮らすのだと決意する。数年後、12歳になったアビバは、知り合いの男の子と寝て、妊娠してしまう。両親は彼女のためだと、無理矢理彼女を説得して、中絶手術を受けさせるが、心に傷を負ったアビバは、一人家を出て、あてもなくさまようのだった・・・。

<感想>
この作品の特異なところは、なんといっても、アビバを8人の俳優が演じているということです。
こういう情報を一切入れずに見始めたので、まず、最初からびっくりして、大いに戸惑いました。
だって、お母さんはエレン・バーキンなのに、その子供アビバが、黒人の女の子だったんですから!
その後、アビバは、変わり続けます。やせっぽちになったり、巨体になったり、白人になったり、黒人になったり、そして、時には、男の子だったり・・・。
人種や性別、外見に関係なく、幸せを求めてアビバは、いろいろな体験を続けます。

原題は「PALINDROMES」。これは、「回文」という意味で、本編の中にもそのことがチラリと出てきますが、AVIVA、BOB、OTTOなど、名前も回文になっていたりします。これは、日本語に訳してしまうと、分からないのが、辛いところですねぇ。
監督は、この回文というところに、この映画の大きなウエートを置いているようで、どこに行っても、また、成長しても、人間の本質、特にイノセントな部分は、元に戻る=変わらないということを描いたそうです。
なんだか迷宮に入り込んだような監督の話なのですが、映画の方は、アビバを演じる人間が変わると、その都度、その外見によって、こちらの受ける印象が変わってしまって、私には、あまりピンとは来ませんでした。逆に、外見によって、同じ役でも、イメージが変わってしまうなぁと思ったりして・・・(^^;。
でも、あとで思い返してみると、やはり、どこか悲しげな所とか、デリケートなところとか、共通するところは、あったような気がします。

監督は、「ウェルカム・ドールハウス」「ストーリーテリング」のトッド・ソロンズです。
映画を見ている時は、分からなかったのですが、冒頭に出てくる自殺した女の子とは、「ウェルカム・ドールハウス」のドーンだということを知って、少なからずショックを受けました(TT)。(2008,04,26)



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