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ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女
ダヴィド・ラーゲルクランツ
ヘレンハルメ美穗 羽根 由訳


ミカエルは今や時代遅れの記者と非難され、雑誌『ミレニアム』は危機的状況に陥っていた。ある日彼は、人工知能研究の世界的権威バルデルが大きな問題を抱えているとの情報を得る。そこにリスベットが関係していると確信したミカエルは、彼女への連絡を試みる。一方、アメリカのNSA(国家安全保障局)は、バルデルが犯罪組織の手先が潜む会社から革命的な研究成果を持ち出したため、彼の身に危険が迫っていることを知る(裏表紙より)



ミレニアムシリーズの第4弾です。

3作目までの著者であるスティーグ・ラーソンが心臓発作により急死したことによって、著者がダヴィド・ラーゲルクランツに変更されました。

続編があることは知っていましたが、やはり、スティーグ・ラーソンが書いていない“ミレニアム”など読む気になれず、放置していたわけですが、この続編が映画化され、それをたまたま見てしまった?!ので、やはり原作を読まなくっちゃと思った次第です。

著者のダヴィド・ラーゲルクランツは、スティーグ・ラーソン著の”ミレニアムシリーズ”を熟読に熟読を重ねて本作を書き上げたそうで、読んでみて、著者が変わったことに、そんなに違和感を感じることはありませんでした。
そして私は相変わらず、登場人物の多さと、聞き慣れない名前に苦労させられたのでした(^_^;。

ストーリーは、込み入っていますが、丁寧に説明されていて、読み応えはありました。
アメリカの国家安全保障局(NSA)が大きく関わってくるのは、映画化を意識しているような気がして、ちょっと違和感がありましたが、舞台のほとんどはスウェーデンなので、まあ、いいかな。
ミカエルとリスベット、ミカエルと警察関係者との関係など、スリリングでありながら、心和むような箇所も用意されているところもうれしいです。
新しい登場人物と、そこからまた新たな物語が始まりそうな予感に、続編である「復讐の炎を吐く女」、「死すべき女」も読むことに決定!

ただ、驚いたのは、先に見ていた映画化作品が原作とは、大いに違っていたことで、
映画のイメージで読み始めたので、少々混乱させられました。
バルデル博士の研究内容や、アウグストの障害、カミラの登場シーンなど、違うとこだらけです。
確かに、映画の方は、原作よりもわかりやすく、派手になっていましたが、それだけに、ただのアクション作品に成り下がってしまったような気がしました。 (2020,01,06)


☆ミレニアムシリーズ(原作)
「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」
「ミレニアム2 火と戯れる女」
「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」
「ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女」
「ミレニアム5 復讐の炎を吐く女」

☆ミレニアムシリーズ(映画化作品)
「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」
「ミレニアム2 火と戯れる女」
「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」
「ドラゴン・タトゥーの女」
「蜘蛛の巣を払う女」