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運命の裏木戸
アガサ・クリスティ

長閑な生活をおくるべく、トミーとタペンスは田舎の家へ引っ越した。が、家で発見した古本には「メアリは自然死ではない」とのメッセージが!メアリという育児係がのちにスパイ容疑をかけられ、不可解な死を遂げたとこと知った二人は、大々的に聞き込みを開始する。すてきに歳を重ねた老夫婦探偵の大活躍(裏表紙より)



トミーとタペンスシリーズの最後の作品です。そして、アガサ・クリスティが最後に執筆した作品でもあります。
この時クリスティ、82才。長い間お疲れ様でした。

というわけで、この作品のトミーとタペンス夫妻も70才を超えています。
でも、それを知らないと、そんな歳には思えないほど二人は行動的でした。
特にタペンス!坂道を木馬のおもちゃ?!に乗って滑ったりするんですから、驚きですよ(^▽^)。

しかし内容は、「親指のうずき」以上にまどろっこしくて、回りくどかったです(^_^;。
たくさんの登場人物が出てきますが、彼らの発言や行動は、あまり役に立ちません。
役に立ちそうな人は、全てを話さないまま殺されてしまうし・・・(^_^;。
そのことを私はとても残念に感じたのに、トミーとタペンスは、そうでもないようだったので、なんだか物足りない感じがしました。

事態は、最終盤になって動きますが、その解明はその後になって、羅列的に説明されるので、あまり面白みがなく、ちょっと残念な感じがしてしまいました。

とはいえ、トミーとタペンス、よく頑張りました。そしてアガサ・クリスティ、本当に本当にお疲れ様でした。 (2021,04,14)


1922年 『秘密機関』(The Secret Adversary)
1929年 『おしどり探偵』(短編集)
1941年 『NかMか』(N or M?)
1968年 『親指のうずき』(By the Pricking of my Thumbs)
1973年 『運命の裏木戸(英語版)』(Postern of Fate)