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迷子イヌ>獣医師広報板で情報が合致し、無事帰宅
編集−パール
初出:2007/04/16・改訂:2009/02/18
◆「動物よくある相談」利用についての注意事項
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◆こどもあんぜんサイト宣言◆
こどもあんぜんサイト宣言

■迷子になった日 2007/04/14
■帰宅した日 2007/04/15
■届出先機関  警察(交番へ届出)・保健所(メールで届出)
■状況 門扉が開いていてそこから出てしまったと思われる
■発見の決め手 獣医師広報板の迷子保護イヌ掲示板への投稿
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<プロフィール> ポッチ/シー・ズー(♂ 10才)
体長が、約40センチ。白内障により左目が白濁
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迷子の犬(ポッチ)が戻るまで

◆第一日 (2007.4.14)
「ポッチ」が生まれたばかりの子犬のときに我が家のメンバーになって約10年になります。
その間、ほとんどを家の中と庭(子犬にとってはそれなりの広さがあるので)で暮らしていて、病院やトリミングに行くとき以外、外出することのない、典型的な内犬です。
そんな事情で、首輪はしていませんでした。
一時はめさせていたのですが、首輪の下あたりに湿疹が出たりしたこともあって、今は使っておりませんでした。
その日(2007.4.14)の朝も、いつものように(7時頃でしたでしょう)まず庭に出しました。
この日は、朝から植木屋さんが来るというので、ガレージの門扉を開けておきました。
庭とガレージは二つの戸で仕切られており、ポッチが一人でガレージに行くはずはないのですが、この日は運悪く、一方の戸が、少し開いていたのです(後から気がついたことですが)。
8時頃、朝食を摂っていて、少しおかしいと思いました。というのは、いつもはパンのにおいをかぐと(パンが大好物です)、「入れてくれ」と、食堂と庭を仕切るドアの前にきて騒ぐのですが、その日は姿を見せません。気になって庭に出てみて、戸が少し開いているのを見つけました。
ポッチが好きな、庭の日当たりのいいところにもいないので、ここからガレージを通って、外に迷い出たのだろうと判断しました。
そこで朝食もそこそこに、近所を(名前を呼びながら)歩き回りましたが、姿を現しません。
庭であれば、呼べば必ず寄って来ますから、近所にはいないらしいと気がつきました。
迷子になったのは間違いないと判断し、さっそく張り紙を10枚ほど作り、近所の電柱に貼りつけて回り、また一番近い交番にも届けました。
ビラを添付しておきます。目立つように大きなフォントを使い、蛍光ペンでマークしました。
土曜日だったので保健所への届けはできませんでした(後でメールによる届けは出しましたが)。
午後になってもまだ帰ってきません。
植木屋さんの相手をしながら庭で心待ちにしていましたが、とうとう夕方になり、植木屋さんも帰りました。
これはもう迷子になっている、と考えざるを得ませんでしたが、万一夜に帰ってくることを考えて、ガレージの門扉や庭に通じる戸は、ポッチが通れる程度に開けておきました。
どこかに保護されていることを祈りながら一夜を明かしました。

◆第二日 (2007.4.15)
翌朝(15日の日曜)、起きて一番に庭の小屋をのぞいてみましたが、戻ってはいません。
交番に電話しましたが、情報は無いようでした。
どうしたらいいだろうとあれこれ考えてみましたが、普通に思いつくことはすべてやってあるので、後はどなたかが情報を提供してくださるのを待つのみという、心もとない状況です。
その時、ふと思いついたのはインターネットです。
もしかしたら、ペットが迷子になったとき、どうすればよいか、といった情報が得られるのではないか、と。そこでグーグルから「迷子 犬」と入力してみました。
そうしたら、なんとびっくり、迷子のペットに関する情報が100万以上もあるではないですか。
しかも、迷子犬掲示板といったタイトルのサイトもたくさんあることがわかりました。
それらの掲示板を開いてみると、双方向システムとなっていることがわかりました。
つまり、迷子のペットの飼い主、迷子のペットを保護した保護者がそれぞれに所定の形式で情報を提供し、飼い主は検索エンジンを使って、自分の迷子ペットが掲示板に出ているかどうかを調べるという仕組みです。
たくさんあるサイトから、いくつかを選んで投稿をするのが先決と、朝食もそこそこに、まず「獣医師広報板」を選びました。
獣医師という名前に惹かれ、また安心感を持ったのだと思います。
そこに入力を済ませ(難しいというほどではないが、やはり初めてなのでいろいろ読んだりします)、さらにもう一つ二つ投稿してみようと作業を続けているうちに、電話が鳴りました。
なんと、つい1時間前に情報を入力した「獣医師広報板」のスタッフ、パールさんという方からでした。
それだけでも驚きなのに、「ポッチらしい迷子犬が千代田区富士見町の方に助けられて、いま麹町警察署に保護されているから、チェックされては」、というご助言にますますたまげました。
入力したばかりの情報に対するレスポンスの早さと、私ともの家と千代田区富士見町との距離にたまげたのです。
おそらく2キロ近いでしょう。
体長40センチかそこらの犬にとっては大変な距離です。
麹町警察署に連絡をとり、ほぼ間違いないという感触を得たので、タクシーで駆けつけました。
ありがたいことに、確かにポッチでした。
所定の手続きを終えて引き取り、無事に帰宅したのは午前11時ころ、推定失踪開始時間から約28時間後でした。

◆感謝
幸いな結末を迎えることができたのは、ポッチにとっても、私どもにとっても、「ラッキー!」としか言いようのない、いくつかの幸運が重なったおかげです。
1・ポッチが無事に千代田区富士見町までたどりついたこと 飯田橋の大きな交差点をどうやって渡れたのか、いまだに信じられないのです。
2・午後3時過ぎ、富士見町のとあるマンションの階段でへたりこんでいたとき、ポッチを見つけて助けてくださったマンションの住人の方が、とりわけ親切な方であったこと 近所を尋ねてくださり、近所に飼い主がいないとわかると、わざわざ交番まで連れて行ってくださったのです。
3・さらにその方が、迷子犬保護の情報を、「獣医師広報板」に投稿してくださったこと
4・私がまったく偶然に、同じ「獣医師広報板」にポッチの情報を投稿したこと
5・「獣医師広報板」のスタッフさんが、二つの情報の関連をすぐに見抜き、そのことを私どもにただちにメールと電話でご連絡くださったこと
6・これは不幸中の幸いというべきでしょうが、ポッチが白内障を患っていて(治療中です)左目が白濁しており、これがよい目印になったこと

このどれが欠けても、ポッチの生還は難しかったのではないか、と感謝の気持ちで一杯です。このような幸運が6つも続く確率は恐ろしく低いはずですから。
また、麹町警察署が、ポッチのために、立派な檻を用意してくださり、中にタオルなどを敷いて居心地がいいようにご配慮くださったこともありがたいことでした。
餌も十分にいただいたようでした。ポッチにとっては不安な一夜だったと思いますが、ご配慮のおかげで、何とか過ごせたのだと思います。

◆学んだこと
今度のことで、私どもも多くのことを学びました。
・犬の行動力 内犬で、外を歩いた経験といえば、500メートルほど先の動物病院に診察やトリミングに行くだけの経験しかありません。それが2キロも歩いたのには驚きでした。近所の電柱にビラを貼るだけでは不十分だったことがわかりました。
・犬の好奇心の大きさ 「好奇心は猫をも殺す」というようですが、同じことが犬にも当てはまるようです。ほんのちょっとの隙間を見つけて、そこを通って外界に出てみる、といった行動は、好奇心以外では説明できません。
・犬の帰巣性の弱さ これはポッチが内犬であるためかも知れません。私どもは、始めの数時間は、自力で戻ってくるばかりと思っていました。住んでいる家に戻るというのは、本能ではなく、訓練の結果得られる能力ということでしょうか。
・インターネットの威力 買い物、飛行機や音楽会の切符の購入などで頻繁に利用していますから、インターネットの威力はこれまでも体験しています。しかし、これらの場合は、先方が「利用しなさい」と積極的に働きかけているケースです。私どもはいわば受動的な立場です。しかし、今度の場合は、私どもが積極的に働きかけるケースとでも言うのでしょうか、立場が逆です。それにもかかわらず、同じようにきわめて有効であることを実感しました。
・人間の善意 しかし、そのインターネットが威力を発揮できるのは、人間の善意がそれを動かすからです。今回の場合では、ポッチを保護してくださった千代田区富士見町の住民の方、「獣医師広報板」のスタッフさんの善意が無ければ、いくらインターネットのシステムが完備していても、ポッチの生還は実現しなかったと思います。後で知ったことですが、「獣医師広報板」さんでは、週末、休日でも投稿される情報に大勢のスタッフが目を光らせておられ、情報や気がついたことをスタッフ間で共有するシステムになっているようです。結局はものを言うのは人間なのだ、と痛感しました。
人間の善意という点では、小日向から飯田橋までの長い道中、ポッチは大勢の方の善意に包まれて旅をしたのだと気がつきました。交差点を渡るときなど、きっと声をかけて、安全に気を配ってくださった方がおられたのでしょう。道中を見守ってくださった方々にも感謝します。

改めて助けてくださった皆様に感謝いたします。本当にありがとうございました。

〔飼い主さんの了解の上頂いたメールを公開しています。〕

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