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獣医師広報板のキャラクター:ココロちゃん初めて犬と暮らす人へ
文章:パールちゃん
初出:2003/11/14
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こどもあんぜんサイト宣言

【はじめに】
犬を飼いたいと思う動機のほとんどは「かわいいから」という理由でしょう。
日本では特にメディアからの影響が大きいようです。
テレビや映画にある種の犬が取り上げられて人気が出ると、「わたしもあの犬を飼いたい!」と思う人が急増します。
でもちょっと待ってください。
見た目のかわいさだけで犬を飼おうと思わないでください。
相手は生き物。
鳴きます。
排泄をします。
毛が抜けます。
食餌や予防薬にお金がかかります。
病気になったらもっとお金がかかります。
そして、しつけをしなければなりません。
しつけはそう簡単にすんなりうまくいくとはかぎりません。
しつけをするあなたの努力が足りなければ、犬はいたずらをすることもあるし、朝昼晩ワンワン大きな声で吠えることもあるし、まったく飼い主の言うことをきかないこともあるし、「こんなはずじゃなかった・・・」と思ってしまうことでしょう。
犬を飼うのは簡単です。
餌と水さえ与えて片隅につないでおけば犬はそこで生きています。
でも、それはあなたがイメージしている犬を飼う≠ニは違いますよね?
飼い主をなごませてくれて、言うことをちゃんと聞いて、健康でかわいい犬が身近にいることが、あなたのイメージしている犬のいる暮らし≠ナしょう?
それを実現するためには犬を飼う前にしっかりと考えておくべきことがあります。

【将来のことを考えよう】
人間と同じで犬の世界でも長寿化が進んでいます。
1980年代には7〜8歳だった犬の平均寿命は、1990年代に入って10歳を超えました。
そしてその後も年々、平均寿命の高まりを更新しています。
今飼おうとしている犬とは10〜15年以上の年月をともに暮らすことになります。
その間、あなたやあなたのご家族に予想される生活の変化はないか、犬を飼う環境や世話をする人の都合などに変化の可能性はないかなど、暮らしの将来を見通してから犬を飼うことを決めてください。
10〜15年という年月の間、生活にはさまざまな転機が訪れるかもしれません。
結婚・出産・育児や就職・転職、引越しということもあるでしょう。
これらを理由に長い間飼ってきた犬を手離す人がとても多いのです。
それは犬にとってとても悲しいことです。
昔から犬は人につく≠ニいわれるように、犬には慣れ親しんだ人がいちばんです。
犬は餌をやって散歩さえすれば誰が世話をしてもいいという動物ではないのです。
10年先のことなんてわからないと思う人もいるでしょう。
生活上しかたない現実が訪れるかもしれません。
でも、『状況がどんなふうに変わっても犬は死ぬまで家族!』と、飼い始める時点で覚悟と決心をすることはとても大切なことです。
これは、これから犬を飼おうとする人にいちばん理解してもらいたいことです。

【どんな犬を飼うか】
オスかメスか、品種にこだわるかなど、初めて犬を飼う人はいろいろ迷うでしょうが、どんな犬を飼うかを決めるときには、[犬の特性・必要な世話・飼う環境]の3つを考慮してください。
この3つはそれぞれ関連しあっていて、あなたの飼いたい犬があなたに合っているかの指標になります。
犬の特性[大きな体で活動的な犬は]
必要な世話[運動に連れ出せる体力のある人が]
飼う環境[なるべく広いスペースで飼ったほうがいい]
といえます。
犬の特性[小さな体であまり運動量を多く必要としない犬は]
必要な世話[外にあまり連れ出せない人でも]
飼う環境[マンション等の室内で充分に飼える]
といえます。
犬には品種ごとの特性があるのをまず知ってください。
猟犬種は走ることが大好きだったり、動くものに対して執拗な興味を示したりします。
そういう犬はストレスをためたりすると攻撃的になったりよく吠えたりします。
愛玩犬種の多くは室内で飼われることが多いですが、人間への依存をうまくコントロールしないとわがままで勝ち気な犬になりがちです。
純血種を飼いたい人は見た目のかわいさや姿の個性だけで犬を選びがちですが、その犬種の特性を知ることはとても重要です。
雑種犬はおよその血統がわかれば犬種特性を想像することができます。
また、オスは縄張り意識が強く、メスは約半年ごとに発情がくるなど、性差による特徴をよく知ることも大切です。
どんな犬が自分に合っているのか、どんな犬が飼える環境なのか、よく考えて犬を選びましょう。
仔犬だけとはかぎりません。
里親探しをしている犬や愛護センターなどの譲渡会にいる犬のなかには、すでに成犬で気質がわかっていて、ある程度のしつけができている犬もいます。
初めて犬を飼う人にはそういう犬も向いています。

【どこから犬を入手するか】
ペットショップから、ブリーダー(繁殖家)から、知人から、この3つが代表的な犬の入手先です。
通信販売を扱うところも増えています。
どこから入手するにしても、けして衝動買い(飼い)だけはしないでください。
ペットショップから入手するなら1軒だけ見て決めるのではなく、必ずいくつかのお店を見るようにしてください。
多くの店を見れば、店ごとの特徴が次第にわかってきます。
商品である生き物をどう扱っているか、衛生面はどうか、価格は適切か、アフターフォローはどうなっているか等々、お店の人とよく話をしてください。
聞いたことにちゃんと答えてくれるか、親切にアドバイスをしてくれるかなどもチェック項目です。
ブリーダーからの購入もチェック項目は同じですが、さらに、親犬や同腹の兄弟姉妹犬をちゃんと見せてくれたり、その犬に関するさまざまな情報をきちんと伝えてくれるかどうかもチェック項目です。
ペットショップもブリーダーも、良心的であるかどうかを見定めることが大切です。
インターネットや雑誌などの通信販売を利用しようとするときは、できれば一度は出向いて実際に犬を見ることをおすすめします。
実際に犬を見たいという希望を拒否するような先からは犬を買ってはいけません。
実際に行くことが無理なら、信頼できると判断するまで連絡を交わすようにしましょう。
コミュニケーションを大切にする相手かどうかをしっかり見極めてください。
動物を販売する業者や販売目的で動物の繁殖をする者は都道府県知事へ届け出をすることが法律で定められていますので、その確認もしましょう。
もうひとつ、購入にあたっては生命補償・疾病補償をチェックしてください。
生き物ゆえ、購入後に発病したり死亡したりということがあります。
もしそのような場合、補償についてはどうなっているのかを確認してください。
全額返金・代犬に交換・医療費だけ補償・補償無しなど販売者によってさまざまです。
迎えた犬が病気を発症したり死んでしまったりすることは、金銭だけの問題ではなく心の問題にもなります。
感情的にこじれることのないよう生命補償・疾病補償のチェックを必ずしてください。

【犬を選ぶポイント】
さて、実際に犬を選ぶときのポイントです。
かわいい仔犬の姿を見てしまうとすぐにでも手元に欲しくなりますが、 母犬や兄弟姉妹犬といっしょにいる仔犬の場合は、少なくとも生後丸3ヶ月はそのままの環境で過ごさせておきましょう。
生後1ヶ月頃までは乳児期で、飲む・出す・眠る・少し遊ぶを繰り返します。
生後1ヶ月過ぎから固形食を食べ始め、健康体の基礎を作ります。
生後2ヶ月過ぎから知能と心がぐんぐん発達します。
母犬や兄弟姉妹犬からいろいろなことを学ぶ社会化期です。
このように仔犬の心身の成長にとっては、生まれてからの3ヶ月間はとても大切な時期です。
その3ヶ月の間に犬仲間とともに暮らし、人間の優しさにふれ、ワクチン接種を1〜2回済ませた仔犬を迎えるのが理想的といえます。
純血種の犬を選ぶときは、血統を確認してください。
近親交配でないかどうかがいちばんのポイントになります。
どの場合にも気をつけたいのが健康な犬を選ぶことです。
鼻がしっとりと湿っている(寝ているときや起きた直後は乾いている)、目ヤニや鼻水がないこと。
汚れていないきれいな肛門をしていること。
歯茎や舌がきれいなピンク色をしていること。
いきいきと目が輝いていること。
などが健康状態の判別方法です。
生後半年くらいまでは産毛のままの仔犬が多いので、仔犬のときの毛並みは将来の毛並みの良さの判別点にはなりません。

【まとめ】
犬を飼う前に考えたほうがいいことと、犬を選ぶ注意点について述べてきました。
犬を飼うことをもう一度よく考えてください。
わからないことは積極的に調べてください。
そして、飼う決心と飼いつづける覚悟をしてください。
飼いはじめてから「もう飼えない」と思うのは命を見捨てることと同じです。
犬と暮らすには、愛情と努力と忍耐と環境とお金がぜったいに必要です。
あなたはそれを惜しみなく犬にそそぐことができますか?
犬の幸せを守ってあげることはできますか?
・・・犬の幸せとは何か?
犬の幸せとは、
自分を大切にしてくれるあなたとともに暮らすことです。
出会ったあなたの元で一生暮らすことです。
出会いの日から別れの日まで、あなたの犬でいることが犬の幸せです。

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